ウェルシュ菌の予防と対策

やっつけろ

ウェルシュ菌の弱点

ニュースなどでもたびたび話題になるウェルシュ菌による食中毒。今回は、ウェルシュ菌による食中毒の予防と対策についてご紹介します。

熱に強いか

ウェルシュ菌は芽胞と栄養型という2種類の形態を持ちます。栄養型は増殖するときの状態であるのに対し、芽胞は休眠状態です。しかし、芽胞は、高温、感想、凍結、栄養不足という厳しい環境に耐え得ることができるのです。特に、熱や高温に対しては、地球上の生物の中で最も強いといわれています。








繁殖する温度

繁殖に適した温度は約40~50℃です。芽胞から栄養型になるため発芽し、増殖を開始します。45℃で分裂にかかる時間は10分と短く、すさまじいスピードで数を増やしていきます。

冷凍してもだめか

芽胞は凍結にも耐えうる状態です。そのため、冷凍しても完全にウェルシュ菌が死滅することはありません。

死滅させるには

ウェルシュ菌を完全に死滅させるためには、特別な機械が必要となります。というのも、高圧蒸気滅菌法をしなければならないからです。この高圧蒸気滅菌法とは、121℃で20分間約2気圧の高圧をかけながら行う滅菌法です。また、乾熱処理という方法もあります。こちらでは180℃で30分または160℃で1時間以上の処理が必要です。また、エチレンオキシドやホルマリンによるガス滅菌、他にもろ過滅菌といったメンブランフィルターを用いたものやガンマ線滅菌などが有効です。しかし、どれも家庭で行うことはできませんね。

手洗いは効き目ある?

手洗いは効き目あり
ウェルシュ菌は人の大腸の常在菌でもあります。そのため、トイレに行った後など、手にウェルシュ菌が付着する可能性もあります。手洗いをしっかりすることで予防にはなるのですが、中途半端な洗い方だと、逆効果になることもあります。手洗いは、石鹸をしっかりと泡立てて行うことが推奨されています。忘れがちな指の間や爪の隙間までしっかり洗うことを忘れないでくださいね。手洗いを指導するための動画なども無料動画サイトで公開されていますので、ぜひこの機会に再度手洗いの仕方を確認してみてください。


予防アイテム

消毒剤としては、次亜塩素酸系の薬剤がやや有効とされています。また、グルタラールという消毒剤もありますが、これは取り扱い時に非常に注意を払わなければなりません。このグルタラールは蒸発しやすく、その蒸気は呼吸器や眼の粘膜などを刺激するため、十分に換気する必要があります。また、付着すると化学熱傷が生じます。家庭で使うのは難しいでしょう。