ウェルシュ菌の潜伏期間

強さ

ウェルシュ菌の強さはどの程度?

大規模な食中毒事件を起こす菌であるウェルシュ菌。ウェルシュ菌の潜伏期間とは一体どのくらいなのでしょうか?また、どのような感染原因、どの程度の感染力を持っているのでしょうか?しっかりチェックしていきましょう。


潜伏期間

ウェルシュ菌の潜伏期間は通常6~18時間、平均10時間とされています。後に述べますが、大体は食品の経口摂取が原因となり、その原因となる食品の摂取後24時間以降に発症することはほとんどありません。








人にうつる?

ウェルシュ菌は人から人へと直接感染することはありません。致死率も0.03%未満と低く、大体の場合は1~2日で症状は軽快します。小児や老人の場合、症状が強く出ることがあります。頻回の下痢による脱水が疑われた時は点滴や経口での水分摂取を治療として行うことがありますが、ほとんどの場合特別な治療は必要ありません。ただし、インフルエンザが流行する季節にダブル感染すると重篤な症状になります。

感染原因・感染力

ウェルシュ菌は人や動物の大腸の中にいる常在菌です。川や海、下水、畑や田んぼなどの土壌中にも広く分布しています。そのため、食肉や魚介類はウェルシュ菌で汚染されている確率が高くなっています。ウェルシュ菌食中毒の多くは食肉や魚介類などを使った調理品が原因となって起こっています。こういった調理品は嫌気状態(酸素がない状態)になりやすく、嫌気性細菌であるウェルシュ菌にとっては最適な環境となるのです。

特に、原因となった食品は大量に加熱調理された後、そのまま何時間も室温に放置されていることがほとんどです。加熱調理でほとんどの細菌は死滅しますが、ウェルシュ菌は高温にも耐えうる芽胞という構造物を形成し、自己保存を図ります。再加熱により芽胞が発芽し、栄養型となって嫌気状態の調理品の中で増殖します。ウェルシュ菌の最適な発育温度は43~47℃で、分裂時間は45℃で約10分間という非常に速いスピードです。給食菌

ウェルシュ菌による食中毒が発生しやすい場所としては、学校や病院、介護施設などの給食センターや大学の学食、カフェテリアなどがあげられます。そのため、ウェルシュ菌には『給食菌』『カフェテリア菌』などの別名もあります。

感染力としては非常に弱い菌でもあります。食中毒症状は、食品1gあたり10万個以上に増殖したウェルシュ菌を摂取することで発生します。他の細菌性食中毒では、もっと少ない量でひどい症状を呈することが多いです。そのため、ウェルシュ菌に感染して症状が出ても軽く、胃腸の不調と捉えられてしまうこともあります。